単式簿記と複式簿記

簿記って何?
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まいる
僕たちが勉強する簿記って複式簿記だよね。複式簿記ってなんだろう?
単式簿記とは「お小遣い帳」や「家計簿」、「預金通帳」のように1つの目的に沿って記帳されているものです。一方、複式簿記では2つ以上の意味を仕訳という形によって表現しています。

1.単式簿記(お小遣い帳)

誰もが一度はお小遣い帳や家計簿をつけたことがあるのではないでしょうか。
3日でやめてしまった人もいれば今でも続いている人もいるあのお小遣い帳は、実は「単式簿記」で作られています。
例えば、「家賃を50,000円払った」ことをお小遣い帳に書きます。(家賃のことは、「地代家賃」としてみましょう。)
(家計簿)
地代家賃 50,000

単式簿記では、家賃を50,000円支払ったことは分かりますが、それがどのように支払われたかが分かりません。
財布の中の現金で直接大家さんに渡したかもしれないし、預金口座から自動で引き落とされたかもしれない。もしかしたら現金払いできないほど厳しい状況だったので、物々交換で許してもらったのかもしれません。

また、銀行の預金通帳も「単式簿記」です。Aさんから20,000円の現金を受け取った場合、受取20,000円だけが記帳されますね。
(預金通帳)
Aさん 受取20,000円

この間立て替えた飲み代を返してもらった20,000円かもしれないし、Aさんに売った絵の代金受領20,000円かもしれません。Aさんから20,000円借りたことも考えられます。

このように、単式簿記は1つの側面からのみ記帳する方法です。お小遣い帳なら「今月の収支はいくらか」、預金通帳なら「今預金残高はいくらあるか」に焦点をあてているのみです。

2.複式簿記

一方、財産ともうけを「見せる」には、どちらか片方だけでは不十分で、両方とも確認する必要があります。
そのためこれから学んでいく簿記は「複式簿記」で作られています。複式簿記とは、その名の通り「同じ出来事を複数の視点で見る」簿記のことです。

・財布の中の現金で直接大家さんに家賃を渡したのであれば
地代家賃50,000/現金50,000

・預金口座から自動で家賃が引き落とされたなら
地代家賃50,000/預金50,000

・なんとか物々交換で許してもらったのなら
地代家賃50,000/商品50,000

同じ家賃支払いでも、右側は様々ですね。(物々交換は絶対に大家さんも許してくれないと思いますが、、)
何で支払ったのかが一発で分かる、それが「複式簿記」の特徴であり、「仕訳」の特徴でもあります。

Column:上の家賃支払仕訳について考えてみよう!
左側は全て「地代家賃」という「費用」です。費用の基本ポジションは左側ですね。今回は「費用」が「増加(計上)」したので、左側に費用を書いています。

右側について1こずつ見ていきましょう。現金で直接大家さんに家賃を渡したのであれば、手元にある「資産」の現金が「減少」しています。資産の基本ポジションは左側なので、「減少」は反対の右側に書きます。
預金口座から自動で家賃が引き落とされた場合、「資産」である預金が「減少」しているので、預金を右側に書きます。
物々交換では、もともと自分の「資産」であった商品が「減少」しているので、商品を右側に書きます。

最後に、先ほどの預金通帳を紐解いてみましょう。
・立て替えた飲み代を返してもらった20,000円
預金20,000/立替金20,000

・Aさんに売った絵の代金を即日払いしてもらった20,000円
預金20,000/売上20,000

・Aさんから借りた20,000円
預金20,000/借入金20,000

Column:今度は預金通帳の仕訳について考えてみよう!
左側は全て「預金」という「資産」です。資産の基本ポジションは左側ですね。「預金」が20,000円「増加」したので、左側に資産を書いています。

右側について1こずつ見ていきましょう。
立て替えた飲み代を返してもらった20,000円の場合、立替金という「資産」が「減少」しています。実は現金をAさんに渡した際に、このような仕訳を書いています。
立替金20,000/現金20,000

■左側
立替金という「資産」の「増加」のため、左側に書きます。立替金とは、一時的に皆さんが立て替えたお金であって、将来返ってくるお金ですよね。将来お金がもらえる「権利」であり、その点では売掛金と変わりません。そのため立替金は「資産」になります。

■右側
一旦立替払いをして現金が減っているため、右側には「資産」の「減少」を書きます。

この時計上した立替金という「資産」が、お金の受領によって消えることになります。そのため立替金は「資産」の「減少」として右側に書いています。

 

Aさんに売った絵の代金を即日払いしてもらった20,000円であれば、Aさんに絵を売っているのですから「売上」という「収益」です。
「収益」の基本ポジションは右側なので、売上は右側に書きます。

Aさんから借りた20,000円であれば、借入金という「負債」が増えています。
「負債」の基本ポジションは「右側」なので、借入金は右側に書きます。

まいる
複式簿記は1つの仕訳で2つのことが分かるようにできているんだね!すごい面白い考えで、きっと複式簿記を作った人ってすごいんだろうな…!
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