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1.「現金 100 / 借入金 100」の正体
皆さんは新しくコンビニの店長になろうと決意しました。そのためには新しくコンビニを建設する必要がありますが、建物を建てられるほどのお金を持っていません。
そこで銀行からお金を借りてコンビニを建てようと思い、銀行に行って無事100円を借りることができました!
100円を借りることができたので、手元には「現金」が100円ありますね。つまり皆さんは現金という「資産」を100円手に入れたのです。
そのため、資産を手に入れた証として、左側に「現金100円」を書きましょう。
一方、現金100円が今手に入ったのですが、将来は銀行に返す必要がありますね。なので現金100円を手に入れると同時に、「借入金」という「負債」も100円持ってしまいます。
そのため、将来返さなければいけない義務があることを示すべく、右側に「借入金100円」を書きましょう。
こうして「現金 100 / 借入金 100」という仕訳ができるのです。手書きで書くときは、左側と右側を区別すべく「/」で分けましょう。簿記の教科書だと、よく「借方」「貸方」という言葉が出てきますね。
昔から使われている言葉が専門用語として出てくるだけで、借方と貸方という言葉に深い意味はありません。要は右と左が区別できればなんでも良いのです。
(ちなみに、左側が「借方」、右側が「貸方」です。)
同じ出来事を2つの側面から見ることが、仕訳の醍醐味と言えます。
2.「財産」の表し方
次は仕訳のルールについてです。どのように「財産」の表すのでしょうか。「財産」は大きく3つに分かれます。
■資産
持っている財産のことです。財産には商品や建物などの他に、将来お金をもらえる権利(売掛金等)も資産です。多くの場合、最終的に現金に替えることができるのが「資産」です。
【例】
現金、預金、車両、建物、貸付金、売掛金
【仕訳の基本】
増加が「左側」(減少は右側)
■負債
将来お金を返す義務(借入金や買掛金)です。多くの場合、最終的に現金で支払うことになるものが「負債」です。
【例】
借入金、買掛金
【仕訳の基本】
増加が「右側」(減少は左側)
■純資産
会社を立ち上げるときの元手です。
【例】
資本金
【仕訳の基本】
増加が「右側」(減少は左側)
コンビニを建てるとき、自己資金300円と銀行からの借入200円を使ってコンビニを建てたとします。
このときの「自己資金300円」が、「純資産」のことです。
「財産」を表す科目は、貸借対照表(B/S)を思い浮かべながら場所を覚えましょう。資産が「左側」、負債と純資産が「右側」に来ていますね。このBoxを頭に浮かべながら、仕訳を書いてみましょう。
①銀行から200円借りて、現金を手に入れる
■左側
現金を手に入れたので、「資産」が「増加」しています。
■右側
借入金という負債も持つことになってしまったので、「負債」が「増加」しています。
②コンビニを建てるために、自己資金300円を会社に渡す
⇒会社から見ると300円の現金を手に入れています。
■左側
現金を手に入れたので、「資産」が「増加」しています。
■右側
自己資金(会社を立ち上げるときの元手)を会社に渡したので、「純資産」が「増加」しています。
今は、自己資金300円と銀行からの借入200円によって、会社には500円の現金がありますね。
③現金500円を使って、コンビニ(建物)を買う
■左側
建物を手に入れたので、「資産」が「増加」しています。
■右側
建物を買うために現金を使ってしまったので、「資産」が「減少」しています。
最終的に、貸借対照表(B/S)はこのようになりますね。

3.「もうけ」の表し方
「財産」の次は「もうけ」の表し方です。もうけは2種類だけです。
■収益
財産の増加(又は負債の減少)の要因です。おにぎりを70円で仕入れて120円で売った場合、売上120円が収益です。
【例】
売上、受取利息
【仕訳の基本】
増加が「右側」(減少は左側)
■費用
負債の増加(資産の減少)の要因です。おにぎりを70円で仕入れて120円で売った場合、仕入70円が費用です。
【例】
仕入、支払利息
【仕訳の基本】
増加が「左側」(減少は右側)
「もうけ」を表す収益と費用は、損益計算書(P/L)を思い浮かべながら場所を覚えましょう。収益と費用を貸借対照表と同様にBox形式で書いた表になります。収益は右側、費用は左側に書き、その差額が純利益になります。
①おにぎりを現金70円で仕入れる
■左側
おにぎりを買うにあたって費用がかかったので、「費用」が「増加(計上)」しています。
■右側
おにぎりを買うために現金を使ってしまったので、「資産」が「減少」しています。
②おにぎりを120円で売り、現金を手に入れる
■左側
おにぎりを売って現金が手に入ったので、「資産」が「増加」しています。
■右側
おにぎりを売ったことにより収益があがったので、「売上」が「増加(計上)」しています。
おにぎりについての損益計算書(P/L)です。おにぎりを70円で仕入れて120円で売ったことで、利益50円が上がった表になっていますね。

たくさん仕訳を書いて、色々覚えていきたいな!
でも、どうやってもうけと財産を見せていくの?