

本当は分かっていたのに電卓の操作ミスで失点、、なんて事態は避けたいですよね。
また、限られた試験時間の中で効率的に問題を解くためにも、電卓の操作方法をある程度覚えておくと便利です。
ここでは電卓を使う上で代表的で、覚えておくと便利な操作をご紹介します。
簿記検定の電卓といえば「SHARP(シャープ)」と「CASIO(カシオ)」です。
両者ボタン表記や計算過程が異なりますので、各々に分けています。この2社以外の電卓を使用している方は、基本的にシャープと同様の操作になるものと考えておけば大丈夫です。
なお、おすすめの電卓はこちらの記事で詳しく書いています。
Contents
1. クリア機能
クリア機能と侮るなかれ、クリアにも実は種類があります。「すべてのデータを消去」「画面上の数値だけを消去」「メモリ以外を消去」の3パターンです。
(メモリのみを消去もありますが、それはメモリのところで触れることにします。)

1.1 全データ消去
まずはすべてのデータ消去から。画面に表示されている数値はもちろん、それまでの計算過程やメモリー機能のデータなど全てを消去します。
・誤入力してわけがわからなくなり、最初からやり直すとき
又は
・【リセット】キー(ある場合)
1.2 画面上の数値だけを消去
続いて、画面上の数値だけを消去するキーです。これまで入力してきた計算過程を消去しないというのがポイントで、意外と覚えておくと便利ですよ。
1.3 メモリ以外を消去
後述する「メモリ」機能のみを残してクリアすることができます。この機能はメモリ機能とセットで使われると威力を発揮しますが、個人的にはあまり使っていないので、なんとなく知っておくくらいで良いと思います。
理由としては、計算過程の途中で上記の「画面上の数値だけを消去」ではなく「メモリー以外を消去」を使うような場面は、電卓操作ミスが発生する可能性が高いからです。

2. メモリ機能
その名の通り、計算結果を電卓が記憶(メモリ)してくれる便利機能です。
・【M+】(メモリプラス):足し算の記憶
・【M-】(メモリマイナス):引き算の記憶
・【RM】(リコールメモリ)又は【MR】(メモリリコール):これまでのメモリ計算をまとめて表示
・【CM】(クリアメモリ)又は【MC】(メモリクリア):電卓が覚えているメモリ部分だけ消去
商品A:@100×200個=20,000円(20,000円を書く)
商品B:@150×300個=45,000円(45,000円を書く)
商品C:@80×400個=32,000円(32,000円を書く)
合計:20,000+45,000+32,000=97,000円
上記の(〇〇円を書く)と書いた部分を電卓が覚えてくれるのがメモリ機能です。
100×200【M+】
150×300【M+】
80×400【M+】
【RM】または【MR】
たったこれだけで、正確な計算ができるのです。
【M+】を押した箇所の計算結果を電卓が記憶してくれて、最終的に【RM】または【MR】を押すと、それまでの計算結果を全て合わせて表示してくれます。
計算結果を足したいときは【M+】でしたが、引きたいときは【M-】を使います。
100×200【M+】
150×300【M+】
30×500【M-】
【RM】または【MR】


3. グランドトータル機能
メモリ機能を紹介しましたので、合わせて【GT】(グランドトータル)機能を紹介します。
【GT】は、=(イコール)を押して算定した数値を累計していく機能です。
100×200【M+】
150×300【M+】
80×400【M+】
【RM】または【MR】
これが、グランドトータル機能を使うとこのようになります。
100×200【=】
150×300【=】
80×400【=】
【GT】
実は、電卓は単純にイコールを押した項目を自動的に覚えているのです。そのため【GT】と押すだけでそれまでの計算結果が合計されて出てきます。
ただ、個人的には使用しないようにしている機能です。イコールは常に使うため、それまでの計算でイコールを使用しているかもしれませんし、簿記検定の途中で「ここからここまでのイコールを電卓は覚えているな」なんて考えていられないからです。同様のことはメモリ機能でできますので、操作ミスによる失点を防ぐためにもメモリ機能を使用することを強くおすすめします。
簿記3級や2級であれば、特に学ばないで合格している方は多いです。あくまで計算するためのツールであり、重要なのは仕訳ができることなので、電卓の使い方を学ぶ時間より勉強にあてる時間の方がはるかに重要ですね。
一方で、計算ミスが多い方や簿記1級・公認会計士・税理士を目指している方は、学んで損はないです。
電卓の使い方を学ぶと計算ミスを減らすことができるようになります。受験勉強の息抜きにもなるし、まずはこんな機能があるんだ!と思う程度から見てみるのがおすすめです!
4. 電卓の打ち方
4.1 右手か、左手か
通常であれば利き腕一択でしょう。右利きの人であれば、右手でペンを持ちながら電卓を操作します。
ただ、これから簿記1級や公認会計士・税理士を目指す方は、右手にするか左手にするかを今のうちから考えておくと良いですね。筆者自身は右利き左打ちで、ペンを右手に持って書きながら左手で電卓を操作できるようにしています。実務を行う上でもとても楽です。
完全に好みの問題ですが、利き腕と反対だとミスなくスムーズに動かせるようになるには少し練習が必要です。
公認会計士受験生は左打ちが多く、税理士受験生は右打ちが多いと聞いたことがあります。
問題をめくる方向が公認会計士試験と税理士試験で違うので、それに合わせている説があるみたいですね。
4.2 電卓を打つ指
これも完全に好みの問題ですが、最初のうちは操作ミスを減らすために1本指で打ちましょう。
早打ちに対応している電卓を使用しており、慣れている人であれば人差し指・中指・薬指の3本~親指や小指を入れた4本で打つ人が多いです。

5. 電卓操作をマスターする上でおすすめの本4選
本記事では電卓を使う上で覚えておくと便利な操作を何点かご紹介してきましたが、電卓の操作方法や操作の仕方について詳細に知りたい!しっかり身につけておきたい!と感じている方は書籍で1から学ぶことをおすすめします。
筆者自身も公認会計士受験生の頃に電卓操作本を購入し、電卓の操作について学びました。そのような方も多いと思いますので、電卓操作の良本を4冊選んでいます。

5.1 はじめての人の電卓操作入門塾
上記で解説している【M+】や【GT】等はもちろん、指使いの練習法まで詳しく載ってます。何度も繰り返し練習することで上達が見込めます。
初心者向けの1冊となっており、まずはこの1冊から使うことで試験に役立つ電卓の使い方を押さえることができます。
5.2 パブロフくんと学ぶ電卓使いこなしBOOK
簿記検定に役立つ電卓の使い方や、資格取得後に実務で実際に使うことができる電卓の使い方まで載っています。イラストが多く用いられており、見やすく分かりやすいことにこだわっていることが感じられます。電卓の選び方も掲載されており、簿記検定を目指し始めた初心者にとっても安心して読み進めることができます。
パブロフくんシリーズは簿記の参考書やや問題集が販売されており、同じシリーズを使っている人にとっては馴染みやすい1冊ですね。
5.3 電卓操作完ぺき自習帳
その他の本と大きく違う点は、「自習帳」という点です。簿記検定に合格するためには実践的な電卓の使い方を覚えることが求められますが、仕訳問題について実戦形式で記載されています。
操作ミス発見方法等幅広い説明があり、電卓操作法の参考書も兼ねたテキストとなっています。購入特典として著者の音声講義を聴くことができる点も魅力的ですね。
5.4 文系女子のための電卓操作入門
文系女子向けのタイトルとなっていますが、特徴は数字が苦手な方向けに分かりやすく説明されていることです。
難しい簿記用語もイラストを加えることで分かりやすく表現されており、購入者特典として音声講義・電子書籍がある点も魅力的です。

